本专栏仅供学习和作为交流资料使用
27 リンデンのその後
それから数日後。
公爵令嬢アイリスと侯爵令息リンデンの婚約が破棄された。グラジオラス公爵家からは『リンデンが公爵家に相応しい人間ではなかった』とだけ世間に公表されている。
(相关资料图)
公爵家からは、リンデンの実家である侯爵家に多額の慰謝料が請求されたらしい。
リンデン自身は、公爵家の騎士団から追放され、実家の侯爵家からも縁を切られて平民になった。
侯爵家としても、リンデンを助けて、グラジオラス公爵家を敵に回すわけにはいかなかったようだ。
さらに、店で暴れたことや女性に暴力をふるっていたことで起訴され、今は夫のデイヴィスと裁判中だ。
こちらには、たくさんの証拠があり、複数の証人がいるので裁判で負けることはない。平民になったリンデンが、罪人に身を落とすのに、そう時間はかからないだろう。
デイヴィスから聞いた話では、リンデンが裁判に負けても、損害賠償請求や傷害罪くらいにしかならないらしい。そうなると、損害賠償金や暴力をふるった相手への慰謝料の支払い、そして、数年の禁固刑くらいでそれほど重い罪にはならない。
しかし、牢から出てきたリンデンにお金を返すあてはない。
そのため、支払い能力がないリンデンが逃げないように、グラジオラス公爵家がリンデンの罪が確定したと同時に、罪人の身柄の引き渡しを要求している。リンデンが被害者に支払うべきお金は、すべて公爵家が肩代わりするそうだ。
その話を聞いた私がマチルダ公爵夫人に「どうしてリンデンの身柄を引き受けるのですか?」と尋ねたところ、マチルダは瞳を鋭くした。
「リンデン……アイツは、アイリスの護衛騎士から、婚約者になったの。だから、アイツは公爵家騎士団の内情に詳しい上に、アイリスや私たちの私生活まで熟知しているわ。そんなヤツを野放しにしたらどうなると思う?」
「……公爵家の情報が流出してしまう?」
「そう、公爵家を敵視しているやつらからすると、アイツの持つ情報は大金を払ってでも手に入れたいものなの。ほっておけないでしょう? それに……」
マチルダは、パチンと扇子を閉じた。
「アイツがしたことは、ただの女遊びじゃない。グラジオラス公爵家をだまして、我が一族に恥をかかせたのよ。そして、私たちの宝物、アイリスを深く傷つけた。一生飼い殺して苦しめてやっても気がすまないわ」
そう言って微笑んだマチルダの笑みは、ゾッとするほど美しかった。
公爵家を侮辱したリンデンは、これから公爵家の手によって死ぬよりつらいめに遭わされるのかもしれない。
どうなるにしろ、リンデンが歩むはずだった輝かしい道は永遠に閉ざされた。
关键词: